こんにちは!ゆいです!
現在、不登校者数が過去最高となっている(※文部科学省調査より)ということを受けて、
「子どもたちは学校に行かなければいけないのか」を考えて記事にしてみました。
私は公立校の教員を経験し、その後、フリースクールを運営していました。
また現在も不登校支援をしており、
この問いについて、毎日考えます。
結論からいうと、
「学校には必ずしもいく必要がない」
というのが私の答です。
理由と、保護者の方にやってほしいことを以下に挙げます。
理由① それぞれに合わせた学び方をすべきだから
大人も、子どもも、人はみんなそれぞれ違います。
考え方、好きなこと、嫌いなこと、得意なこと、不得意なことなども全く違います。
日本の学校は、「すべての能力を一定水準に育てる」という面に関して、
非常によくできたカリキュラムを備えています。
日本の識字率の高さ(ほぼ100%)や各初等教育の達成度は世界的に見ても類を見ません。
しかし、別の面を見ると日本の教育は「みんなを同じ(一定の高さの)レベルに育てる」のが目標です。
一斉集団で授業が行われている以上、個人の好きや得意まで考慮するのはなかなか難しい側面があります。
社会はものすごいスピードで変わり続けています。
一方で、現在の教育制度は戦前に作られたものと大きく変わっていません。
高度経済成長時代までは、「アメリカに追いつく」という明確な目標やゴールが見えていたので、それを達成するための道筋が明確でした。
学校教育でも「同じ知識を与えて子どもたちを成長させる」という志向になっていました。
それでよかったし、問題なかったのです。
しかし、グローバル化が進み、科学技術も発展していく中、「みんなと同じ」だけでは不十分になりました。
みんなが同じようにできることは、近い将来にAIやアウトソーシングで代用されてしまいます。
これからは自分の持ち味を伸ばしていくことがより重要になっていきます。
みんなと同じことをし、同じような能力を身につけるよりも、好きや得意を伸ばし尖がったほうが生きやすくなります。
大学受験が心配・・という方も非常に多いですが、大学受験の制度なんていつ変わるか分かりません。
ネットがこれだけ普及しているので、Google検索が受験で使える日が来るかもしれません。
そして、大学と就職(仕事)は全く別物です。
いい大学を出たからと言って、いい就職(仕事)は保証されていません。
「みんなと一緒」や「学歴」を気にしすぎていませんか?
また「学校の先生が言うことはすべて正しい」と思っていませんか?
「学校の先生」はほとんどの方が「学校の先生」しか社会経験がありません。
子どもの発達や心理に対しては知識はありますが、企業のルールや社会経済への認識が足りてない人が、ほとんどです。
基本的な報連相ができない人も少なくありません。
社会・経済・教育など、バランスを見て判断することが大切です。
理由② 同調圧力が働くから
学校ではどうしても「同調圧力」がかかります。
特に日本では「違う」ことに対しての同調圧力が大きいです。
子どもの集団ならなおさら、ときにとてつもなく残酷なものになります。

理解されないと、ツライですよね…。
同調圧力につぶされて個性が光らなくなってしまったり、ツライ思いをする子どもたちもいるでしょう。
長所が短所と出てしまうこともあります。
なかには、いじめられたり、周りの子から嫌なことをされて、体調不良になってしまう子もいるかもしれません。
また、いじめで自分の命を絶ってしまう、といった悲しいニュースは後を絶えません。
そこまでして、学校に行く必要はありません。
学校に行かないからといって、将来がダメになるわけではありません。
ムリに学校に行って、体調を崩してしまったり、トラウマを抱えてしまったり、命を絶ってしまったりしてしまうことのほうが避けるべきことなのです。
目の前のお子さんが苦しそうなら、どうか、お子さんの幸せのために、「学校に行かない」という選択を許してあげてください。
理由③ 学び方が多様にあるから
学校では一斉集団授業となります。
そのため、学べることは先生次第となります。
個性が尊重される時代なので、学びたいことを学べるようにすべきです。

勉強って本来はとても面白いものです。
学校以外での学びの場所はたくさんありますし、ホームスクーリングでの学びもあります。
動画で学ぶこともできます。
ラインナップは充実していますし、動画の授業のクオリティーはとても高いです。
また、オンラインで双方向に学ぶこともできます。
子どもたちには、何を学ぶか以上に、学ぶ楽しさを知ってほしいですね。
大人になってからもリカレント教育が推進されています。
大人になっても学び続ける力がないと、社会で生きていくのはしんどくなります。
さらに自分の学びやすい学び方を知っておくと将来役立ちます。
保護者の方にやってほしいこと
子どもの将来は不安になって当然だと思います。
特に自分の子どもが不登校になってしまったら、なおさら将来が不安だと思います。
子どもによりよい将来を与えられるために、保護者の方ができることを3つご提案します。
① 自分自身が社会の現状や社会の流れを知る努力をする
社会を知るための手段が、テレビを観るだけになっていないでしょうか?
テレビの情報は非常に偏っていることを知っておいてください。
- 新聞を読む
- 本を読む
- ニュースアプリを読む
様々な情報源から時代を読む努力をしていれば、子どもへの助言は大きく外れることはないかと思います。
できれば一次情報に辿り着ければベストです。
自分自身の価値観が思い込みでないか?
は、社会の現状や社会の流れを知ることで気づけます。
親が間違った価値観を持っていて、それを子どもに押し付けてしまうと、
子どもは間違った方向に努力してしまい、さらに生きづらくなります。
そんな保護者の方や子どもたちをたくさん見てきましたが、多くの方は自分の価値観を子どもに押し付けていることを自覚していません。
それで、子どもたちも、自分たちも苦しんでいるのです。
まず、自分の価値観が凝り固まっていないか疑ってみる必要があります。
子どものために時代を読む努力をすることで、結果が変わります。

情報に触れるのは、1週間に1回や、毎日3分でも大丈夫です。
ムリのない範囲でチェックしてみてください。
② 子どもの個性や違いを認める
自分の子どもが周りと違うことを不安に思っていないでしょうか?
その不安は100%子どもに伝わっています。
そうすると、子どもは自分自身を責め始め、本音を親に言ってくれなくなります。
もしかしたら、もうその現状になってるかもしれませんね。
今の時代、「違いは素晴らしい」のです。
違っていることが、社会的には「価値」となるのです。
学校に行っていなかったとしても、その子の人生が終わるわけではありません。
1番身近な親に認められなくなったときに、子どもは非常にツラくなり、自信をなくし、外に出られなくなってしまうのです。
まずは、子どもの存在や子どもの考え、気持ちを聴き、共感して認めてあげましょう。
一緒に子どもの興味があることに取り組んでみることから、始めてみてください。

ゲームでも、動画でも、なんでもいいので、一緒に楽しんでみましょう。
③ 学習ツールを提案する
学習ツールは山ほどあります。
学習の仕方を子どもと一緒に考えてあげましょう。
たとえば、下記のようなものがあります。
- 塾に通う
- 家庭教師をつける
- YouTube
- スタディサプリ
- 進研ゼミなどの通信教育
- スマイルゼミなどのタブレット学習
しかし、「今は勉強したくない!」という子もいますよね。
そのような子でも、興味があることはいくつかあると思います。
そのことに親自身が興味を持ち、そこから広げて行きませんか?
なにも主要教科(国語・算数(数学)・理科・社会・英語)だけが勉強ではないのです。
例を挙げると・・・
フリースクールにも他のことにはあまり興味がなかったけれど、歴史(戦争時代)だけは、大好きな男の子がいました。
そこで、他のことは一旦置いておいて、歴史(戦争時代)をたくさん勉強できるようにアプローチしました。
一緒にお話しをしたり、議論をしたり、調べ物をしたり・・・。
次第に、世界史から英語や、現代の日本や世界の政治・経済、歴史から砂糖の種類や成分、経済から数学・・・と興味の幅が広がっていきました。
また、議論をする中で説明がとても上手になっていきました。
フリースクールでは、ゲーム好きな子には思いっきりゲームをさせてあげ、ときには大人も一緒にやることもあります。
時間が経つと、「やりすぎてゲームに飽きた」という子もいれば、「ゲームとプログラミングが似ている」とプログラミングを本格的にできるようになった子もいます。
大人が見ている中で、オンラインゲームを海外の方とやることで、英語に興味を持った子もいます。
ぜひ子ども興味の幅を上手に広げてあげましょう!
まとめ
「学校に行かないといけないのか?」という答には、質問してきた子どもたちと、「どうして学校に行かなければならないんだろうね?」と一緒に考えていきたいですね。
その上で納得できる答を追求していくことこそが、ベストです。
もし不登校のことで悩んでいらっしゃる方がいれば、お気軽にお問い合わせからご相談くださいね!
参照:落合陽一『0才から100才まで学び続けなくてはならない時代を生きる 学ぶ人と育てる人のための教科書』
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